Release Information

アンドレ・メマーリ 「トーキョー・ソロ」
André Mehmari "Tokyo Solo"

2014.10.08 on sale

CD定価¥2,592(税込) NKCD-1012 (qb007)
発売元: NRT / quiet border
販売元: BounDEE by SSNW


<quiet border>第7弾。
現代ブラジルが生んだ最高峰ピアニスト/作曲家、アンドレ・メマーリによる待望のソロ・ピアノ作品集。
ブラジルならではのスケール感のもと、クラシック、ジャズ、全てを飲み込むピアノ音楽。
代表曲を中心にミナス名曲などを織り交ぜたベストな選曲、最良のパフォーマンスが合致した決定盤。(2013年東京録音+ボーナストラック4曲)


M3. Nazareth Suite (Ernesto Nazareth)

M4. Lagoa Da Conceição (André Mehmari)

M6. Que Falta Faz Tua Ternura (André Mehmari) / M7. Choro Da Continua Amizade (André Mehmari)

M13. Proezas De Alexandre (André Mehmari)


◆TRACK LISTING
01. Um Anjo Nasce (André Mehmari)
02. Beatriz (Chico Buarque/Edu Lobo)
03. Nazareth Suite (Ernesto Nazareth)
04. Lagoa Da Conceição (André Mehmari)
05. Clube Da Esquina Medley:
Tudo Que Você Podia Ser (Márcio Hilton Fragoso Borges/Salomão Borges Filho)
O Trem Azul (Antonio Carlos Jobim/Ronaldo Bastos/Lô Borges)
Cravo E Canela (Ronaldo Bastos/Milton Nascimento)
06. Que Falta Faz Tua Ternura (André Mehmari)
07. Choro Da Continua Amizade (André Mehmari)
08. Kojo No Tsuki (Bansui Doi/Rentaro Taki)/ Assum Branco (José Miguel Soares Wisnik)
09. Sehr Langsam, From The Youth Album (Robert Schumann)
10. Um Anjo Nasce (André Mehmari)
11. Baião Malandro (Egberto Gismonti)

【Bonus Tracks from studio recordings】
12. Modular Paixões (André Mehmari)
13. Proezas De Alexandre (André Mehmari)
14. Lullaby Zuzu (André Mehmari)
15. Valsa-Variação Sobre Tico Tico No Fubá (André Mehmari)

Total time 60:38


Produced by André Mehmari
Exective Produced by 成田佳洋/ Yoshihiro Narita (NRT)

Track 1-11: Recorded live in festival “THE PIANO ERA” at Persimmon Hall (Large Hall), Tokyo (30th November 2013)
  Recorded by 新居章夫(niis)
  Festival Produced by: 堀内求(novus axis) & 成田佳洋(NRT)

Track 12-15: Recorded by André Mehmari at Estúdio Monteverdi, São Paulo

All Mixed and Mastered by André Mehmari at Estúdio Monteverdi

Design & Illustration : 山口洋佑/ Yosuke Yamaguchi
Photography: 三田村亮/ Ryo Mitamura


現代ブラジルが生んだ最高峰のピアニスト。アンドレ・メマーリのことを説明する必要に迫られたとき、まず最初にこの一言を口にしてきた。これは手っ取り早く興味を惹いてもらうためのフレーズにすぎないのだが、過去3回の日本ツアーによって、そして本国ブラジルや諸外国での活動によって、ここ数年でその評価はますます揺るぎないものとなってきた。けれど15作近く残されている彼のリーダーアルバムのなかでも、どういうわけかピアノ独奏のアルバムがなかったのである。いや、あるにはあるのだが、それは<親と子のためのインスト音楽>をコンセプトとしたシリーズの一貫をなす企画盤としてのリリースであった(『MPBaby Beatles』『MPBaby Clube da Esquina』)。彼のピアニズムにどっぷり向き合えるピアノ・ソロのアルバムが聴きたい。メマーリ作品を10年来聴きこんできた自分にとっても、それは悲願といえるものだった。
このアルバムは2013年・東京のパーシモンホール(大ホール)でのソロ・ピアノ公演を録音したものだ。ピアニスト7名を一同に介したフェスティバル<THE PIANO ERA>における演奏で、この日のステージにはアルゼンチンのノラ・サルモリア矢野顕子がともに出演している。翌日には中島ノブユキ、ドイツのニルス・フラーム高木正勝平井真美子が出演し、二日間通しの入場チケットも好評だったから、ピアノ音楽の幅広い表現に興味をもつリスナーが多く集まっていたはずだ。そこで最も大きな喝采で受け入れられた一人が、この日のメマーリだった。ヴィラ=ロボスエグベルト・ジスモンチに連なる、ブラジル史におけるピアノ音楽/作曲家の系譜を受け継ぐ存在でありながら、同時にブラジルという枠を軽々超えて伝わる魅力があるように思う。そもそも日本でアンドレ・メマーリの人気がじわじわと広がっていったのも、ブラジル界隈の外からの評価が見逃せないふしがある。その音楽の虜となり、個人でありつつメマーリの初招聘にまで漕ぎ着けたピアノ調律師の三ケ田美智子さんも、そうした一人だろう。逆にメマーリのそうした普遍性こそは、ブラジルのひとつの王道にふさわしい素質とスケールを証明していると言えるかもしれない。
 
本作の収録曲は自身の代表作といえる「Um Anjo Nasce」「Lagoa Da Conceição」などのオリジナル曲を軸に、ブラジルの名曲を散りばめたものだ。③は2013年に生誕150周年をむかえた作曲家、エルネスト・ナザレーの楽曲メドレーで、メマーリは今年2014年にナザレーの楽曲集をリリースする予定もある。数多くのピアノ小曲を残し、その多くにブラジル舞曲のリズムを取り入れたナザレーはしばしば「ブラジルのショパン」「ブラジルのスコット・ジョプリン」とも称される。⑤で取り上げた<クルビ・ダ・エスキーナ>は、ミルトン・ナシメントロー・ボルジストニーニョ・オルタなど、1960年代にミナスより登場したミュージシャン一派による名曲メドレー。「Cravo E Canela」「Tudo Que Você Podia Ser」は前述の『MPBaby』でも取り上げられている。メマーリとミナス音楽との結びつきは深く、彼の地の新鋭シンガーソングライター、アレシャンドリ・アンドレスのアルバム『マカシェイラ・フィールズ』のプロデュースをはじめとして参加作も多い。「荒城の月」のカヴァー⑧は嬉しいプレゼントで、2011年の初来日時にも披露していたと記憶している。続く「Assum Preto」はメマーリとも親交の深いサンパウロの重鎮シンガーソングライター、ゼー・ミゲル・ヴィズニッキによるもので、時代もジャンルも超越した美しさを捉えたメドレーだ。
メドレーといえば、彼にはこんなエピソードがある。2013年の福岡公演時、アンコールの場でリクエストを募ったメマーリのもとに、異なる4つの曲名が寄せられた。メマーリのオリジナル曲、ビートルズ曲、ジャズスタンダードとミナス名曲という全く異なるその4曲を、即興でメドレーにし、さらにそれぞれのテーマを変奏させつつ組曲風にアレンジする――そんな信じがたい芸当をやってみせたのだ。スピーディーなタッチを駆使した超絶技巧が話題になることも多いメマーリだが、その演奏性はそうした作編曲の能力と分かちがたく結びついている。「作曲もする演奏家、とは思われたくない。自分はまず何よりも作曲家だと思っている」とかつてインタビューで語っていたことがあるが、その真価というべき自作曲を最良のパフォーマンスとともに今回収録することができたのではないかと思っている。

ボーナストラックの4曲は、彼のホームであるEstúdio Monteverdiでのスタジオ録音だ。「Proezas de Alexandre」は前述のアレシャンドリ・アンドレスに捧げられた新曲。⑮はショーロ時代の作曲家、ゼキーニャ・ヂ・アブレウ(1880-1935)の有名曲「Tico Tico no Fubá」をメマーリのアレンジで変奏曲風に仕立てたもの。メマーリの、聴く人を楽しませる茶目っ気とロマンチシズムという二つの側面が一体となった演奏だ。⑫⑭はアルバム『…de Árvores e Valsas』に収録されている。全曲をオリジナル楽曲で構成し、20以上の楽器を自ら演奏した本作は、マルチ奏者としてのアンドレ・メマーリを知るうえでもぜひ聴いてほしい名作だ。彼のリーダー作はどれも力作揃いだが、個性派シンガーを多数招いて作り上げた歌曲集『カンテイロ』も、メマーリの広大な世界観に触れることのできる作品として紹介しておきたい。バンドリン奏者のアミルトン・ヂ・オランダ、イタリアのクラリネット奏者ガブリエレ・ミラバッシ、ポルトガルのピアノ奏者マリオ・ラジーニャらとのデュオ作品においても、優れた録音を残している。
1977年4月生まれ、本作収録時でまだ36才というのがつくづく信じがたいパフォーマンスだが、アーティストとしてまだまだ進化の過程にあることは間違いない。


◆profile
1977年ブラジル、リオデジャネイロで生まれる。5歳より音楽を専門的に学び、10歳より独学でジャズ、即興音楽を学び作曲も始める。その頃からプロとしてピアノ、オルガンのコンサートに出演。15歳の頃には音楽院でオルガン、ピアノを教えるようになる。
95年サンパウロ州立大学に入学。同年、大学の音楽コンクールBrazilian Popular Music (MPB)部門で優勝。97年にはクラシック部門でも優勝。98年ブラジルで最も有名なMPBコンペティションで優勝、デビューCDを録音する。翌年、全26の楽器を演奏、多重録音によるソロアルバム『Canto』を制作、2002年にリリース。
05年7月ブラジル人歌手のジョイスと共に初来日。2011年Piano solo Japan Tour (名古屋、東京、岡山)来日。同年10月イタリア人クラリネット奏者ガブリエレ・ミラバッシとのDUOコンサートを東京で2日間行う。
2013年、フェスティバル<THE PIANO ERA>に出演するため再来日。矢野顕子、ノラ・サルモリア(Argentina)とともにステージに立つ。福岡・神戸・名古屋・山形でもソロ・ピアノ公演を行う。
自身のレーベル/スタジオ<Estúdio Monteverdi>をメインにコンスタントに作品を発表、リーダー作は15枚近くを数える。マリア・ベターニアやイヴァン・リンスなどトップ・ミュージシャンとの共演も多く、セッション・ピアニストとしてもファーストコールの地位を確立。伊藤ゴロー、藤本一馬などの作品にもゲスト参加するなど日本の音楽家からの信奉も厚い。
数多くの楽器を演奏するマルチ・ミュージシャンであり、プロデューサー、レコーディング/マスタリング・エンジニアとしての仕事も多く、世界でも稀に見るマルチな才能の持ち主である。


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