2012.02.18

sense of "Quiet" 出演アーティスト紹介

クワイエットな熱狂、心静かなフェスティバル。
時代の静寂に寄り添う新しい作曲のかたち、新しい音楽家を紹介する3日間。

【出演アーティスト/下記に紹介コメントがあります】
Carlos Aguirre
Renato Motha & Patricia Lobato
Quique Sinesi
青葉市子
東野珠実


<クワイエット><静かなる音楽>というキーワードのもと、国やジャンルをこえて注目を集める音楽家たち。
いずれも新奇さよりは普遍性に関心を寄せているようにみえながら、その時空を越えた時間感覚に、21世紀の音楽ならではの表現を見出すことができます。
共通してみられるのは、アコースティックな響きと、その土地の風土を反映した作曲の在り方をかたちにしていること。第一回目となる今回では、このシーンを代表するアーティストが一堂に集い、一日ニ組ずつ、三日間にわたって開催します。

時代の静寂と寄り添う、新しい音楽の息吹が聞こえてきます。

以下に出演アーティストを紹介します。
まずは豪華な海外アーティスト陣。
現代アルゼンチン最高の音楽家と称されるカルロス・アギーレ
<静かなる音楽>ムーブメントの真の発火点であり、高貴な文学性と圧倒的なパフォーマンスで過去2回の来日公演を沸かせたブラジルのデュオ、ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート
ジャズ~クラシカルからタンゴやフォルクローレまでの音楽言語を自在にあやつる演奏力と、作曲家としての自由な感性が高度に結晶化したギタリスト、キケ・シネシ。5月16日の公演はリーダー名義としてのコンサートで、日本で初めてその全貌を現します。

続いてどちらも個性派の邦人アーティスト2組。
弱冠21才、クラシックギターの弾き語りでナチュラルかつ独創的なオリジナル曲をうたい、細野晴臣、Cornelius、七尾旅人などからも寵愛をうける天才シンガーソングライター、青葉市子
坂本龍一プロデュースのアルバム『ブリージング・メディア ~調子~』の発表で注目を集める笙奏者、東野珠実。雅楽団体伶楽舎に所属しながら、ジョン・ケージ作品の演奏やコンピューターミュージックへの取り組み、またYo-Yo Maの招聘に代表される、国際的な活動で知られる異色の楽人で、鎌倉公演では今年生誕100周年を迎えるジョン・ケージによる笙曲「two3」、1000年以上前の古典曲「調子」などを予定。新旧の<クワイエット>な演目といえる。

ジャンルも国もこえて、それぞれ独自の道をすすみながら、いつかどこかの街ですれ違っていたかもしれない。そんな音楽家たちが一堂に会する出会いの場でもあります。

この5月、そんな場面を多くの音楽ファンの方々と共有できれば幸いです。

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2012.02.18

Renato Motha & Patricia Lobato 【sense of "Quiet" profile①】

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Renato Motha & Patricia Lobato (ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート)
今もっとも良質で、洗練されたブラジル音楽を奏でる男女デュオ、ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート。1999年にデュオ名義初となるアルバム『アンチーガス・カンチーガス』を発表、以来2011年までに6枚のアルバムをリリース(いずれもNRTより発売)。ミナス音楽特有の透明な空気感を湛えながら、ジョアン・ジルベルトの系譜を感じさせる正統派MPBアーティストとして現代屈指の人気・実力を誇る。
近年はオリジナル作品と並行して、インドのマントラを演奏するプロジェクトも同時進行。2007年作『サウンズ:平和のための揺らぎ』は「東京のほとんどのヨガ・スタジオに置かれる定番」(ソトコト誌)となり、東京のヨガ・シーンでもっともポピュラーなアーティストの一組でもある。と同時に、2010年作『イン・マントラ』はJ-WAVE/月刊ラティーナ共催の<2010年ブラジル・ディスク大賞>関係者投票第2位に選出されるなど、幅広い支持を集める。2009年、2010年の来日公演は下記のような絶賛を受け、話題となる。

「天上の音楽と呼ぶものがあるとしたら、今、聞いているのがそれかもしれない。(中略)予備知識なしに聞いても、この音楽の美しさはたやすく伝わるものではないかとも思う。どこにも属さないがゆえに、誰でも、何かしら感じるものがある。そんな音楽があるとしたら、彼らのこの音楽こそ、それではないかと思う」
(高橋健太郎氏)

「頭のてっぺんから天空へとまっすぐに上ってゆくような透き通ったハイトーンボイスに、会場の誰もが陶然とし、浄化されてゆくように見える。(中略)サポート陣3人の抑制された演奏も、好ましい。ひとつひとつの楽器音、声がよく響き、混交して作りだす、甘美な宇宙的ハーモニーである。インドの哲学との出会いによって一層”ミナス性”があぶりだされた、見事なパフォーマンスだった。」
(朝日新聞コンサート評/松山晋也氏)

主に作曲を担当するヘナート・モタは、デビュー作の100万枚を超えるヒットでブラジルを代表するシンガーとなったマリア・ヒタにも楽曲を取り上げられるなど、コンポーザー/プロデューサーとしても数多くの仕事がある。日本のブラジル音楽シーンを代表するシンガー、chieの3rdアルバム『フロール・ヂ・ミン』(2010年)のプロデュースも手掛けている。
2012年には新作も予定している。

2009年4月26日、浄土宗大本山 光明寺 大殿でのダイジェスト映像

2012.02.18

Renato Motha & Patricia Lobato 大阪公演

ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート、単独公演のお知らせです。
これまで何度も問い合わせをいただいておりました、関西地方での初公演となります。
今回の来日中、唯一のデュオ編成で、より親密なライブをご期待ください。

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NRT
THE PIANO ERA
藤本一馬
Kazuma Fujimoto official web

PROFILE


成田佳洋:
maritmo株式会社 代表取締役プロデューサー。レーベルNRT主宰。
静かなる音楽フェスティバル 【sense of "Quiet"】、CDシリーズ/ラジオ番組/イベント 【Samba-Nova】 主催・企画・制作。
世界と日本のピアノ・フェスティバル【THE PIANO ERA】主催プロデューサー(novus axisとのダブル主催)。
音楽ライター・選曲家として、ワールド・ミュージック全般を中心に、ジャズやロック・ポップスなどのフィールドで活動中。ライナーノーツ多数。

74年東京生まれ。96年よりレコード会社勤務、その後外資系CDショップにてワールドミュージックおよびジャズのバイヤーを5年勤めたのち、02年に初めてブラジルに渡航。当初レコード・ショップ開業のため買い付け目的での滞在が、現行シーンのあまりの面白さと、その背景の豊かさに触れ、レーベル開業を決意。帰国後レコード会社勤務を経て、04年にNRTをスタート。音楽の一方的な「啓蒙者・紹介者」としてではなく、「共有者」としての視点をベースに、CDリリース、原稿執筆、ラジオ番組の選曲・構成、レコーディング・ライブイベントの企画・制作などを行う。

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