2012.06.19

sense of "Quiet" 5/13 Setlist @鎌倉 光明寺

sense of "Quiet" 3日間のセットリストがようやく判明しましたので、日付ごとにアップします。
改めてご来場くださった皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
スタッフ・関係各位にも多大な感謝を。


5/13(日) @鎌倉・光明寺

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【東野珠実】
1. 雅楽古典曲 "調子"
2. "Two3 for sho and conc shell"
3. "Möbius link 1.1 〜そしてあらゆる躍動を慈しむように静寂はそこにたゆたっている〜"
4. 雅楽古典曲 "調子"

まずは笙奏者・東野珠実から演奏スタート。
古典曲、オリジナル(M3)、ジョン・ケージ曲(M2)とヴァリエーションのある演目。
この第一部では、基本的にマイクを通さず生音での演奏(2曲目の法螺貝演奏のみPAを通した)。
最後の笙のトリオ演奏では、演奏者が客席のなかに移動し、正三角形に取り囲むかたちでの演奏を繰り広げた。


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【Renato Motha & Patricia Lobato】
1. Ong Namo 2
2. Ong Sohong
3. Guru Ram Das
4. Chattra Chakkra
5. Pingo D'agua
6. A Terra E Verde
7. Planos
8. Flor De Mim
9. As Bolas De Sabao
10. Sunni-e
11. Sat Narayan
12. Suite Kundalini Mantras

Encore (with 東野珠実):
1. Sat Num
2. Wahe Guru


第二部のヘナート・モタ&パトリシア・ロバートは、
既におなじみとなったマントラ演奏に、彼らの元々のスタイルであるMPB(ブラジリアン・ポップス)曲を挟む構成。

千数百年前の古典曲を演奏する東野珠実。
古いものでは紀元前一千年由来、つまりは三千年前のマントラを演奏するヘナート&パトリシア。
アンコールではこの二組によるマントラ・セッションも実現した。

雄大な時の流れを一瞬にして遡るような強烈なトリップ感覚のなかで、二組の音色が交流したまさにそのとき。光明寺の鐘の音が静かに重なる奇跡をみた。
場内が声にならない驚きで満たされたあの瞬間。今後どれだけイベントを重ねていったとしても、決して忘れることはないだろうと思う。


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※photo1-3, 8-9 by Rai Shizuno
※photo4-7 by Ryo Mitamura

2012.06.19

sense of "Quiet" 5/15 Setlist @東京 草月ホール

5/15(火) @東京・草月ホール

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【青葉市子】
1. 灰色の日
2. レースのむこう
3. パッチワーク
4. 私の盗人
5. 日時計
6. 機械仕掛ノ宇宙
7. 奇跡はいつでも


東京・草月ホールに舞台を移しての二日目は、青葉市子による第一部からスタート。
極度の緊張により、手元も口元もずっと震えていたという後日談が信じられない、ほとんど神憑りのパフォーマンス。
集大成的な選曲、唯一のカヴァーM6(山田庵巳作)まで、ギターも歌も、独自としか言いようのない個性と才能で、アギーレ&シネシ、ヘナート&パトリシアの海外組全員を驚嘆させた。この日場内で観覧していたヘナート&パトリシアが即座にスタンディング・オベイションしたことも、今や語り草。


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【Carlos Aguirre with Quique Sinesi】
1. La Tarka
2. A Beto
3. Con Los Primeiros Pájaros De La Mañana
4. Pasarero
5. ¿Serás Verdad?
6. Caracol
7. Un Pueblo De Paso
8. Milonga Gris
9. Druida
10. Los Tres Deseos De Siempre
11. Hiroshi
12. Danza Sin Fin

Encore:
1. El Hechizo De Tu Nombre
2. Andando


第二部は、カルロス・アギーレによるリーダー名義のコンサート。6曲目から8曲目までの3曲でソロ演奏パートを挟みつつ、あとは全てキケ・シネシを帯同するかたちでの演奏。

何しろあんなふうに息のあったピアノとギターのデュオ演奏を見たことがない。二人の音が重なる瞬間ごとに、さまざまな風景や色彩、匂いまでが波のように次々と押し寄せて、胸を締めつけるメロディの世界へと連れ去っていってくれる。
アギーレのパフォーマンスは、2010年、初来日時のソロ演奏とは全く別次元を思わせるもので、その演奏性の高さ、自由度、表現の開放されたさまに、誰もが心地良い驚きと、熱狂を覚えたことと思う。
満場のスタンディング・オベイションとともに終演。


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※photo1-11, 15-17 by Rai Shizuno
※photo12-14 by Ryo Mitamura

2012.06.19

sense of "Quiet" 5/16 Setlist @東京 草月ホール

5/16(水) @東京・草月ホール

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【Quique Sinesi guest: Carlos Aguirre】
1. La Magia Está Dentro Tuyo - Candombe - Cancion Hacia Vos
2. Alta Paz
3. Otro Día
4. La Solitalia
5. Danza Sin Fin
6. Compañero de Ruta
7. Donde Quiera Que Estés
8. De-Fa-Ra


最終日の三日目は、キケ・シネシ名義での本邦初コンサートを第一部に。
南米ギター界の巨匠たりとも、さすがに開演前は少し落ち着かない様子だったものの、蓋をあけてみれば完璧のパフォーマンス。名盤『Danza Sin Fin』収録曲を中心とした演目に息をのむばかり。
前日もそうだが、一音一音の粒の安定感、そして即興時の無尽蔵に溢れ出るフレージングの数々に、いつまでも続くような高揚感をおぼえる。しかもというか、それにもまして曲が良い。演奏技術の高さ、手数と相反するような、静謐で深みのある美しい曲を書く人だと思う。よくいわれるように、フォルクローレ、タンゴ、ジャズ、クラシックといった多岐にわたるジャンルで活動する演奏家としての諸要素が結晶化したようなコンポーザーで、そうした魅力を十二分に伝えるセットだったと思う。後半からはカルロス・アギーレが加わり、そうなるともうどちらがリーダーであるとか、どちらが作曲者かなんてことを超えた、二人の音楽としかいいようのない世界が展開されていた。このデュオ名義でのレコーディングもスタートしているとのこと、リリースされる日が本当に楽しみだ。


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【Renato Motha & Patricia Lobato】
1. Encantado João
2. Planos
3. Pingo D'agua
4. Alegre Ou Triste?
5. A Terra E Verde
6. Flor De Mim
7. As Bolas De Sabao
8. Ong Namo
9. Ong Sohong
10. Sunni-e
11. Suite Kundalini Mantras

Encore:
1. Los Tres Deseos De Siempre (with Carlos Aguirre & Quique Sinesi)
2. Sat Narayan (with Carlos Aguirre, Quique Sinesi & 青葉市子)


そして大トリがヘナート&パトリシア。沢田穣治、Mayaとの演奏もさらに歯車が噛み合い、グループらしい一体感によってスケールの大きい音を鳴らしていたと思う。マントラとMPBを一つのコンサートで融合するというアイデアを無理なく成立できたのも、単なるサポートを超えた二人とのコラボレーションによるものだ。
アンコールにはアギーレ&シネシも交えて、アギーレの代表曲「Los Tres Deseos De Siempre」を6人で演奏。ヘナート&パトリシアの歌にアギーレも感涙していた、という証言もいくつか聞いた。
さらに最後は青葉市子も加わり、ヘナート&パトリシアのマントラ名曲「Sat Narayan」を全員で。音楽は国や言語、ジャンルを超えるとはよく聞く常套句だが、それぞれのボーダーを超えた先に新しい言語、音楽を獲得した瞬間に立ち会えることはなかなかないと思う。この日もまたスタンディング・オベイションで見送ってくださった皆様と、これからもこういう機会を重ねていければと思う。

カルロス・アギーレ、キケ・シネシ、ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート、青葉市子、東野珠実。この5組の音楽家に、今後もぜひご注目ください。
そしていつかきっと、また。

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※photo1-9, 11-14, 16-21 by Rai Shizuno
※photo10, 15 by Ryo Mitamura

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THE PIANO ERA
藤本一馬
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PROFILE


成田佳洋:
maritmo株式会社 代表取締役プロデューサー。レーベルNRT主宰。
静かなる音楽フェスティバル 【sense of "Quiet"】、CDシリーズ/ラジオ番組/イベント 【Samba-Nova】 主催・企画・制作。
世界と日本のピアノ・フェスティバル【THE PIANO ERA】主催プロデューサー(novus axisとのダブル主催)。
音楽ライター・選曲家として、ワールド・ミュージック全般を中心に、ジャズやロック・ポップスなどのフィールドで活動中。ライナーノーツ多数。

74年東京生まれ。96年よりレコード会社勤務、その後外資系CDショップにてワールドミュージックおよびジャズのバイヤーを5年勤めたのち、02年に初めてブラジルに渡航。当初レコード・ショップ開業のため買い付け目的での滞在が、現行シーンのあまりの面白さと、その背景の豊かさに触れ、レーベル開業を決意。帰国後レコード会社勤務を経て、04年にNRTをスタート。音楽の一方的な「啓蒙者・紹介者」としてではなく、「共有者」としての視点をベースに、CDリリース、原稿執筆、ラジオ番組の選曲・構成、レコーディング・ライブイベントの企画・制作などを行う。

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